2014/01/01

変温管理 現代農業11月号

「トマトの生理に合わせた変温管理」と題された記事が掲載されている。私が無知なだけかもしれないが,信じ難い内容がいろいろ記載されている。前提として,「温度が光合成速度に及ぼす影響は限定的で,18-28度の広い範囲で変わらないとされています」とある。「成長は光の総量により決定し,発育は温度に依存する」ともある。葉や花などの発生が「発育」,葉や果実の肥大を「成長」と称するらしい。

日本とオランダ式の変温パターンの違いが掲載されている。随分,違う。農業新聞の記事を読んでも日本の農家は作物に急激な温度変化を与えないように管理している。オランダ式は真逆だ。「トマトをはじめとする果菜類においては,このような変温管理は世界標準」とある。これが事実としたら,進んでいた日本の農学はいつ頃から遅れをとるようになったのだろうか。多分,資本主義の競争原理が農学にも作用しなくなったのかもしれない。幕末の日本の夜明けは蘭学から始まった。ハウス栽培も学ぶ必要があるのかもしれない。

「日平均気温をある程度の間隔(できれば1分間隔)で測定し,平均を求めた値です」と著者は記述している。私のワイヤレス温度センサとそのアプリ Slip21 は最短1分間隔で測定記録ができる。得られたリストを表計算ソフトにコピーすれば積算温度,平均温度は簡単に得られる。しかし,オランダの変温管理とは作物に刺激(ストレス)を与える栽培法なのかと思う。

ヒトもストレスがないと,進化しないのかもしれない。世界文明歴史家トインビーはそれを「挑戦」と称した。無謀なチャレンジは避けるべきだが,試行錯誤でいろいろやってみようという精神は何事にも大切かもしれない。アムステルダムの石畳の道は風情がある。司馬曰く,山のないオランダでは石すら外国から入手しなければならなかった。何にお金をかけるかだな。オランダ人がスペイン人と競合し,台湾に城塞を築いた頃,その石は現地調達ではなく平戸から購入した。台湾には石工がいなかったか,それとも中国本土の石は高価だったか不明だ。当時のオランダ人が関心を寄せた日本の産物は金銀銅,それと奴隷くらいだった。購入した金属奴隷を本国に持ち帰るのではない。中国で陶磁器,茶を仕入れるためだった。日本産の生糸,陶磁器が欧州で高い評価を得るには中国産を越えねばならなかった。

飼い猫が私の机でまったりしたりする。本年もよろしくお願い致します。

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