原発ゼロ政策への具体策

Diamond Online が高橋教授が提案する「原発ゼロ政策への具体策 東京都が買い取れば実現は近づく」と載せている。彼の経済学コラムは奇妙なのが多いが，この案はブラックユーモアとして賛成だ。国税を東電に注ぎ込まなくて済む。確か，既に2兆円支払っている。除染費用も，旧通産総研の見積もりによれば2兆円だ。福島原発の廃炉汚染水対策費に至っては，核燃料再処理工場と同じようになりかねない。官僚政治家は金がなくなっても予算を注ぎ込むだろう。

旧陸軍の満州出兵と同じだ。その破局が東京大空襲と原爆で，これでやっと，日本人の島国根性から目が覚めた。今また，そのナショナリズムがまた台頭している。週刊誌は嫌韓，反中記事を載せると売れると言う。池田信夫氏も米駐日大使のイルカ漁非難について，批判していた。Inhuman 非人道的と表現され，熱くなったのであろう。ヒューマニズムの概念は実にわかりずらい。古代にはない思想だ。ルネサンス期に突如，西欧で誕生した。長い長い歴史は省くが，それが主流から排撃されたピューリタンに継承され，新大陸にキリスト教原理主義と草の根民主主義の根幹ともなった。Inhuman の原義は人間でない，つまり野獣だと言う事だ。Human には絶対的な神が介在するが，Inhuman となると神を信じない野蛮人という暗喩がある。

しかし，駐日大使のような合衆国のオバサンを侮ってはいけない。満州割譲を容認していた米国が豹変したのが上海事変だった。このとき，世論を大きく形成したのは米国婦人の反日親中キャンペーンだった。最近の草の根運動も女性が始めたのが最初だった。女性達が活動する地域の中心がいうまでもなく教会だ。一介のオバサンが始めた運動が一大政治運動にまでなり得るのだ。妻の知人に米国老婦人がいる。ボランティアでアフリカまで小学校建設井戸掘りに参加している。そんなおばあちゃんが原爆投下は，謝罪する気はないという。それは真珠湾攻撃の対価だという。つまり，聖書に記された正当な復讐だ。日本人はまた，いつか原爆の復讐を合衆国にするのではないかと，これまた聖書を引き合いに思っている。

大戦後，日本の叡智が集う高級官僚軍事官僚は「人道」に対する罪で縛り首になってしまった。この場合のヒューマニズムは米国流の思想だ。単純に皇国思想は米国ピューリタンには勝てなかったと考えたらどうだろう。天皇が毎日，必勝祈願しても勝てなかったのだから，潔く負けを認めたらどうだろうか。しかし，イルカ漁が Inhuman とは。誰か，隣国の犬食を駐日大使に告げ口してくれる女性クリスチャンはいないだろうか。