ウクライナ中国ベトナム混乱時の通貨
連日,毎日新聞はウクライナ情勢を報道するが,肝心な事を伝えない。検索すると日経がウクライナ通貨のレートを昨日,報道していた。政治の混乱が通貨を暴落させている。ウクライナ東部諸州は重工業地帯だ。ウクライナ通貨がこれだけ下がったら,東部ではルーブルが流通しているのだろうか。何人もの日本の報道関係者が現地に行っていると思っていたけど,キエフどまりで実際には,現地を訪れていないのかもしれない。通貨の話がテレビに全く出てこない。
昔,日本が北支に侵攻したとき,円貨を背景とした傀儡政権の通貨と蒋介石政権の法幣が争った。中国住民は法幣と交換し,法定通貨である円が日本から持ち出される事になり,日本の外貨事情はさらに悪化した。日米開戦となると,米国のレンドリースを背景とした法幣は供与された現物を元手に傀儡通貨との競合に打ち勝った。日本は蒋介石軍を相手に連戦連勝だったが,経済戦は全く劣勢だった。蘭印で得た油を中国に持ち込むどころか,日本国内ですら流通させる事ができなかった。戦争末期にはビルマ公路(中国とインドを結ぶ道路)が完成して,蒋介石はガソリンの供給を細々と受けられるようになり抗戦体制が整った。
アメリカはベトナムに介入した。第二次世界大戦当時と異なり,米国は石油の一部を輸入するようになっていた。多額の援助を南ベトナムに注ぎ込んだが,末端の小作農民までドルの威力が浸透しなかった。農民は南ベトナムの軍事政権を傀儡とみていた。ベトコン兵士の靴は米製古タイヤのゴムを再生した鼻緒のついた草履のようなものだった。貴重なガソリンはソ連が中国経由で細々と援助していた。南ベトナム政府の戦略村は日本軍の農民政策同様,うまくいかなかった。解放地域の農民は米をあたかも租税(小作料?)のようにベトコンに供出していた。南ベトナムの通貨は都市部以外ではうまく流通しなかった。
ウクライナのキエフ暫定政権は米独ポーランドの支援(介入)を受けている。現代人の生存は昔と異なり食糧の他にエネルギが必須になっている。ウクライナの電力事情は多分,東部優位で東西分裂となると,西部はかつての工業化が遅れていた韓国のように酷い耐乏生活に落ち込むだろう。大国の思惑とナショナリズムの高揚とどこで折り合いをつけられるか。東部諸州が自国通貨(キエフ中央銀行)を見捨てた時が,分岐点だろう。
ロシアのテクノクラート(官僚)がウクライナ情勢をどうみているのか。日本の岸ら革新官僚と東條らの軍事官僚は机上で対中国戦争と対米戦争は可能であるとみなした。日本軍が沖縄で玉砕した年でも陸軍の軍事費は半分を中国に割り当てていた。国力16倍の米国と戦争するのにその経費は,中国と同程度と官僚は起算していた。ドイツの国力を過大評価したのであろうか。現在でも,米中露の経済力を過大評価でも過小評価でもいけない。リアルな経済を知らない新聞社と官僚達を思うと,戦前と状況は変わらない。国策をまた,間違えるだろう。
昔,日本が北支に侵攻したとき,円貨を背景とした傀儡政権の通貨と蒋介石政権の法幣が争った。中国住民は法幣と交換し,法定通貨である円が日本から持ち出される事になり,日本の外貨事情はさらに悪化した。日米開戦となると,米国のレンドリースを背景とした法幣は供与された現物を元手に傀儡通貨との競合に打ち勝った。日本は蒋介石軍を相手に連戦連勝だったが,経済戦は全く劣勢だった。蘭印で得た油を中国に持ち込むどころか,日本国内ですら流通させる事ができなかった。戦争末期にはビルマ公路(中国とインドを結ぶ道路)が完成して,蒋介石はガソリンの供給を細々と受けられるようになり抗戦体制が整った。
アメリカはベトナムに介入した。第二次世界大戦当時と異なり,米国は石油の一部を輸入するようになっていた。多額の援助を南ベトナムに注ぎ込んだが,末端の小作農民までドルの威力が浸透しなかった。農民は南ベトナムの軍事政権を傀儡とみていた。ベトコン兵士の靴は米製古タイヤのゴムを再生した鼻緒のついた草履のようなものだった。貴重なガソリンはソ連が中国経由で細々と援助していた。南ベトナム政府の戦略村は日本軍の農民政策同様,うまくいかなかった。解放地域の農民は米をあたかも租税(小作料?)のようにベトコンに供出していた。南ベトナムの通貨は都市部以外ではうまく流通しなかった。
ウクライナのキエフ暫定政権は米独ポーランドの支援(介入)を受けている。現代人の生存は昔と異なり食糧の他にエネルギが必須になっている。ウクライナの電力事情は多分,東部優位で東西分裂となると,西部はかつての工業化が遅れていた韓国のように酷い耐乏生活に落ち込むだろう。大国の思惑とナショナリズムの高揚とどこで折り合いをつけられるか。東部諸州が自国通貨(キエフ中央銀行)を見捨てた時が,分岐点だろう。
ロシアのテクノクラート(官僚)がウクライナ情勢をどうみているのか。日本の岸ら革新官僚と東條らの軍事官僚は机上で対中国戦争と対米戦争は可能であるとみなした。日本軍が沖縄で玉砕した年でも陸軍の軍事費は半分を中国に割り当てていた。国力16倍の米国と戦争するのにその経費は,中国と同程度と官僚は起算していた。ドイツの国力を過大評価したのであろうか。現在でも,米中露の経済力を過大評価でも過小評価でもいけない。リアルな経済を知らない新聞社と官僚達を思うと,戦前と状況は変わらない。国策をまた,間違えるだろう。
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