脱原発国民運動 中庸の薦め 自治体崩壊
池田信夫先生が廣松渉について語っている。学生時代ノンポリだった私は友人から,廣松のマルクス主義について耳学問で知った。マルクスの剰余価値説を高校時代に教師から吹き込まれ,よくまあこんな学説を「真理」として信じているなとの拒否感があった。池田は廣松の著作を「マルクスの解説書としては最高傑作」としているのはどうかなと思う。
私の経験からすると,哲学の解説本から得られて役に立ったと思うのは,この年にもなって記憶に残っているのはバートランドラッセルと九鬼周造くらいしかない。国語が嫌いだったせいか,漢語と難解な文体の日本語は苦痛だった。廣松の本は凡人には難しいと思う。Wikipedia によれば,廣松はカントを研究していたらしい。カントは星辰と永久平和について語った(道徳倫理)。マルクスは労働と価値について語った。ハンガリーにルカーチという哲学者がいた。かつてのロシア帝国がマルクスレーニン主義を押したてハンガリーを圧殺したなかで,若かりし頃のマルクスに着目し,疎外論を深めた。マルクスは近代の労働を歴史的に古代まで遡らせようとした。そのなかで無意識に援用したのが,旧約の精神だった。資本(貨幣)と労働を交換可能とし,いろいろとその関係を論じるのが経済学だが,貨幣のない時代まで,旧約聖書を通じて読み解くのは無理がある。マルクス哲学は聖書同様神話になってしまった。教義といっていいかもしれない。
新約を読むと,神殿税を貨幣で奉納していた事がわかる。神道の玉ぐしがいつから銭で奉納するようになったのか知らないが,神権と徴税の関係を歴史的に明かしたのはマルクスエンゲルスの偉大なところだけど,ソ連中国がマルクス教説を官僚主義に変えた。神官=官僚 の図式だ。マルクスとか廣松の著作は難しい説教書を読むようなもので,何の価値があるのだろうか。検索したら,宮台のコラムに当たり,疎外論と共産主義の理想も含めて宗教の描く楽園について簡潔な解説があり,一読を薦める。こんな短いコラムでこれだけの論評を書けるのは凄い能力だ。パウロのようにプロパガンダを書けば,日本教を改革できるのではないかと思う。彼のコラムで原発を検索すると,
僕は全力で「〈原発をやめること〉もさりながら〈原発をやめられない社会をやめること〉こそが大切だ!そのための住民投票運動なのだ!」と受任者の会議や街頭で繰り返し、それもあって法定署名数の獲得に成功したと思っているが、その先に更に大きなハードルがあるのだ。
とあった。懐かしい。昔のオルグの宣伝チラシを読む感覚が蘇った。このスタイルでは到底ダメだな。「原発をやめられない社会をやめること」と述べているが,どうみても原発の新設は不可能だから,原発の耐用年数には限度があるから,どの途,原発は発電しなくなる。
問題は,ここ20年間の危機をどうしのぐかなのだが,生活感のない知識人(高等遊民)の論理にはついていけない。時給 300 円で働く,外国人研修員は高騰する電力代でますますそのニーズが高まるばかりなのだ。毎日新聞経済部はようやく日本の天然ガス価格と欧米との比較グラフを載せた。割高な輸入天然ガス石油を使用しての日本産品の競争力はないのだ。零細企業は廉価な外国人労働,大企業は海外に工場を移転するだけだ。
戦前は国内炭があったので,米海軍の封鎖にあっても終戦時にも火力発電所は稼動して省電は動いていた。恩師は灯りのある省電の中で勉強した。官僚達が戦争を止めたのは,満州からの食糧途絶と青函航路の途絶による石炭不足だった。電力がないと全く継戦できなかった。電話も止まるのだ。シリア,ウクライナ,イラン,ウイグル,シナ海と情勢次第では石油危機の再現が起きるとも限らない。そのリスクを緩和するために原発を回そうと言っているのだ。対中韓政策にしても,TPP の原則となる航海交易の自由を多国間で結び,中国へのバッファとするのだ。中世にハンザ同盟というロシアのノブゴロドからロンドンに至るバルト海,ドイツ低地の諸都市の交易圏があった。内陸では諸侯国王が戦争に明け暮れていたが,沿岸諸都市は平和を保ち繁栄を求めた。カントはハンザ同盟の精神のろうそくの炎が消える最後の輝きだった。欧州の歴史はその後,軍事力を背景とした絶対主義そして民族主義となり,その帰結が両大戦だった。
ハンザ同盟を衰退させたのは戦争だった。絶対王政を崩壊させたのも戦争だった。軍事優先の国家は膨張は早いが崩壊するのも早い。統制国家のドイツ,イタリア,日本そして本家のソ連も崩壊した。20年も経てば,中国の勢いはなくなりソ連のように崩壊するだろうけど,その直前が危ない。中国の妨害封鎖にあっても,ある程度耐えられるよう安全保障上のエネルギは確保しなければならない。小泉,細川両元首相の安全保障観はどう理解したらいいのだろうか。石油電力のない自衛隊って意味がないだろう。戦前のような,あほな戦略をとるのだろうか。結果的に,自由を抑圧した国家統制になってしまう国民運動だろう。脱原発で誰が得するのか考えてみよう。
話が脱線してしまった。マルクス関連の本を読む前に,聖書を最低限,読んでおくべきだろう。現代,起きている紛争,経済社会の事象を理解する手助けになる。アメリカは中東紛争の原理を理解しているが故に,その紛争が 2000 年来続いていようとも基本原理(プリンシプル)は明らかだ。経典に戻れば理解可能だ。
さて,経典を持たぬ日本人がどうプラグマティックに行動できるか。エコを含めいろんなイズムに毒されるのがよくない。「頑張ろう」もよくない。我慢,無理は長続きしないのだ。楽をしろとはいわないが,画一的な高校球児賛美的なものは,この人口減少老齢化社会に似つかわしくない。いかに衰退のショックを次世代にやわらげて日本を後世に繋いでいくか大切なのではなかろうか。
とりあえず,原発を再稼動させよう。そうすれば,関西のひどい不振が緩和される。東京が勝手に地方の活力を奪わないで欲しい。関東大震災のときは,関西が企業の避難先になれたのだが。。。多様性,自由競争は大切だ。小泉,細川氏は最低賃金で生活の糧を得ている庶民の感覚を理解していないのではと思う。宮台もそうだろう。3人とも都会出身で,農魚建設工場労働の経験が皆無なのではなかろうか。頭で考える精神理想論が脱原発と統制主義が融合するのは戦前の統制国家主義と重なり実に興味深い。天皇を中心とした我慢社会も北朝鮮のように統制が行き渡り,衰退していくのに混乱がなくて良いかもしれない。混乱とは中国で起きる反乱のようなものだ。日本の風土があれば,江戸期の状態まで戻れば,軍事力を放棄すると3千万人まで扶養できる。ただし,庶民(下層民)が休めるのは正月と盆だけになる。経典の民のように週に一日休む余裕はなくなる。
聖書を読むと,聖なる日に誰が家畜の世話,かまど食事の世話をしていたかを考えると良い。原発もその延長なのだ。イエスが食したパンとぶどう酒は何処から入手したのか,その対価となる貨幣はどうなっていたのか。
日本の精神風土が脱亜入欧どころか,復古翼賛化して来ていると感じる。著名世襲政治家が軒並み脱原発派なのは意味深だな。朝鮮中国を含めて日本を眺めると東アジア特有の統治風景が浮かび上がってくる。日本の復古天皇制と北朝鮮の王制思慕。両国とも見事なまでに中央統制が行き渡っている。マルクスは階級闘争を唱えた。旧約には父性原理に基づく父殺しという暗い衝動がある。その起源はとにかくオリエントだろう。古代地中海文明と闘争を文明の推進力とみなすヘーゲル流は古代ギリシャのヘラクレイトスの系譜だ。古代ギリシャの思想背景としても古代ペルシャの国教だったゾロアスター教(光と闇の戦い)は重要だろう。古代ギリシャをオリエントと見なす考え方もある(黒いアテナ)。政治原理を対立する党争とみなせば,毛沢東の推進した文革運動も理解できるのではなかろうか。かように国民運動とか大衆運動とは危ういものだ。今,日本に求められているのは中庸の精神ではなかろうか。
2040 年における全国の半数の市町村で 20-39 歳代女性の人口が半減するとの発表があった。中華文明,インド文明と西欧文明は消長を繰り返したが,他の多くの文明民族は滅亡している。中華文明の周辺に発生した稲栽培に根ざした弥生期以来の日本文明が2100年には滅亡するという事だろう。日本の天皇神道信仰はユダヤ教のようには生き残れないかもしれない。古代ギリシャ文明は滅びたけど,ギリシャ人は存在し続けている。日本語話者も極東の島国という地理的条件のため存続するだろう。外国との交易と移民で日本の都市圏は存続しているのだろうか。ユダヤ民族は土地を失い,農耕しなくなったけどヤーウェという奇妙な絶対神を信仰して民族のアイデンティティを維持している。
ユダヤ人の定義は母親がユダヤ人である事だ。ユダヤ教は父性原理ながら,ユダヤ女を伴いトーラ(律法)を糧にシナゴーグをコミュニティの基点として全世界へ拡散した。今回の調査結果は日本の農業が大変換を遂げる先触れだろう。参考になる人口崩壊は中国王朝交代,西欧のペスト危機と戦争による荒廃だろうか。民族が滅亡するときは,往々にして滅亡を加速するような意思決定をするものだ。ユダヤ族のローマへの反乱がそうだった。日本の直近の統制強化政策も衰退を加速するだけだろう。ソ連の崩壊研究が役に立ちそうだ。ソ連は共産党官僚独裁の中央集権による地方への分配余力がなくなり分裂した。ロシアはウクライナを併合する余力がなさそうだ。沿海州クリル(千島)も負担になっているだろう。外資を導入するとしたら,中国か韓国か。
日本の中央集権が30年後,崩壊するとき中国韓国はもはや日本に投資する余力がないのは確かだ。どうするのかな。私は多分,死んでいないが子供はどうするか。教育を授け,日本から脱出できるようにするのが賢明か。ソニーのゲーム機の CPU はロシア人が米国に移民して設立した会社が設計したものだ。かつては東芝と IBM が供給していたが。今でも,多くのロシア人がアメリカに移民している。
日本に飛来し,本土を襲爆撃した米陸軍航空隊の戦闘機である P-47 と P-51 はロシア移民の会社と移民したドイツ人技師の設計によるものだった。アメリカは軍用でも必要と認めれば外国人を雇用し,兵器としても採用した。原爆に至っては理論と設計は外国人なしでは 1945 年に完成しなかったかもしれない。日本に技能のある外国人が来ないとしたら,韓国が進めているような外国人妻政策を採用したとしても,うまくいくとも思えない。
やはり,東大が進めているような9月入学,授業の半分を英語化する改革は国費で推進すべきだろう。卒業後も日本に滞在してくれるかもしれない。彼らは役人を志望しないだろうから,起業して日本を活性化してくれるかもしれない。隣国の台湾,韓国および中国から日本の大学を目指さないようではだめか。なぜ日本の大学は魅力がないのだろうか。日本語のせいかそれ以外にも原因がありそうだ。とにかく日本人だけの人的資源だけではだめだ。創造性進取性とかは韓国フェリー事故の高校生の愚かさでわかるように,13歳までに素質が定まる。小学校からの画一教育を止めても,その効果が現れるには壮年となるのに40年かかるからだ。
私の経験からすると,哲学の解説本から得られて役に立ったと思うのは,この年にもなって記憶に残っているのはバートランドラッセルと九鬼周造くらいしかない。国語が嫌いだったせいか,漢語と難解な文体の日本語は苦痛だった。廣松の本は凡人には難しいと思う。Wikipedia によれば,廣松はカントを研究していたらしい。カントは星辰と永久平和について語った(道徳倫理)。マルクスは労働と価値について語った。ハンガリーにルカーチという哲学者がいた。かつてのロシア帝国がマルクスレーニン主義を押したてハンガリーを圧殺したなかで,若かりし頃のマルクスに着目し,疎外論を深めた。マルクスは近代の労働を歴史的に古代まで遡らせようとした。そのなかで無意識に援用したのが,旧約の精神だった。資本(貨幣)と労働を交換可能とし,いろいろとその関係を論じるのが経済学だが,貨幣のない時代まで,旧約聖書を通じて読み解くのは無理がある。マルクス哲学は聖書同様神話になってしまった。教義といっていいかもしれない。
新約を読むと,神殿税を貨幣で奉納していた事がわかる。神道の玉ぐしがいつから銭で奉納するようになったのか知らないが,神権と徴税の関係を歴史的に明かしたのはマルクスエンゲルスの偉大なところだけど,ソ連中国がマルクス教説を官僚主義に変えた。神官=官僚 の図式だ。マルクスとか廣松の著作は難しい説教書を読むようなもので,何の価値があるのだろうか。検索したら,宮台のコラムに当たり,疎外論と共産主義の理想も含めて宗教の描く楽園について簡潔な解説があり,一読を薦める。こんな短いコラムでこれだけの論評を書けるのは凄い能力だ。パウロのようにプロパガンダを書けば,日本教を改革できるのではないかと思う。彼のコラムで原発を検索すると,
僕は全力で「〈原発をやめること〉もさりながら〈原発をやめられない社会をやめること〉こそが大切だ!そのための住民投票運動なのだ!」と受任者の会議や街頭で繰り返し、それもあって法定署名数の獲得に成功したと思っているが、その先に更に大きなハードルがあるのだ。
とあった。懐かしい。昔のオルグの宣伝チラシを読む感覚が蘇った。このスタイルでは到底ダメだな。「原発をやめられない社会をやめること」と述べているが,どうみても原発の新設は不可能だから,原発の耐用年数には限度があるから,どの途,原発は発電しなくなる。
問題は,ここ20年間の危機をどうしのぐかなのだが,生活感のない知識人(高等遊民)の論理にはついていけない。時給 300 円で働く,外国人研修員は高騰する電力代でますますそのニーズが高まるばかりなのだ。毎日新聞経済部はようやく日本の天然ガス価格と欧米との比較グラフを載せた。割高な輸入天然ガス石油を使用しての日本産品の競争力はないのだ。零細企業は廉価な外国人労働,大企業は海外に工場を移転するだけだ。
戦前は国内炭があったので,米海軍の封鎖にあっても終戦時にも火力発電所は稼動して省電は動いていた。恩師は灯りのある省電の中で勉強した。官僚達が戦争を止めたのは,満州からの食糧途絶と青函航路の途絶による石炭不足だった。電力がないと全く継戦できなかった。電話も止まるのだ。シリア,ウクライナ,イラン,ウイグル,シナ海と情勢次第では石油危機の再現が起きるとも限らない。そのリスクを緩和するために原発を回そうと言っているのだ。対中韓政策にしても,TPP の原則となる航海交易の自由を多国間で結び,中国へのバッファとするのだ。中世にハンザ同盟というロシアのノブゴロドからロンドンに至るバルト海,ドイツ低地の諸都市の交易圏があった。内陸では諸侯国王が戦争に明け暮れていたが,沿岸諸都市は平和を保ち繁栄を求めた。カントはハンザ同盟の精神のろうそくの炎が消える最後の輝きだった。欧州の歴史はその後,軍事力を背景とした絶対主義そして民族主義となり,その帰結が両大戦だった。
ハンザ同盟を衰退させたのは戦争だった。絶対王政を崩壊させたのも戦争だった。軍事優先の国家は膨張は早いが崩壊するのも早い。統制国家のドイツ,イタリア,日本そして本家のソ連も崩壊した。20年も経てば,中国の勢いはなくなりソ連のように崩壊するだろうけど,その直前が危ない。中国の妨害封鎖にあっても,ある程度耐えられるよう安全保障上のエネルギは確保しなければならない。小泉,細川両元首相の安全保障観はどう理解したらいいのだろうか。石油電力のない自衛隊って意味がないだろう。戦前のような,あほな戦略をとるのだろうか。結果的に,自由を抑圧した国家統制になってしまう国民運動だろう。脱原発で誰が得するのか考えてみよう。
話が脱線してしまった。マルクス関連の本を読む前に,聖書を最低限,読んでおくべきだろう。現代,起きている紛争,経済社会の事象を理解する手助けになる。アメリカは中東紛争の原理を理解しているが故に,その紛争が 2000 年来続いていようとも基本原理(プリンシプル)は明らかだ。経典に戻れば理解可能だ。
さて,経典を持たぬ日本人がどうプラグマティックに行動できるか。エコを含めいろんなイズムに毒されるのがよくない。「頑張ろう」もよくない。我慢,無理は長続きしないのだ。楽をしろとはいわないが,画一的な高校球児賛美的なものは,この人口減少老齢化社会に似つかわしくない。いかに衰退のショックを次世代にやわらげて日本を後世に繋いでいくか大切なのではなかろうか。
とりあえず,原発を再稼動させよう。そうすれば,関西のひどい不振が緩和される。東京が勝手に地方の活力を奪わないで欲しい。関東大震災のときは,関西が企業の避難先になれたのだが。。。多様性,自由競争は大切だ。小泉,細川氏は最低賃金で生活の糧を得ている庶民の感覚を理解していないのではと思う。宮台もそうだろう。3人とも都会出身で,農魚建設工場労働の経験が皆無なのではなかろうか。頭で考える精神理想論が脱原発と統制主義が融合するのは戦前の統制国家主義と重なり実に興味深い。天皇を中心とした我慢社会も北朝鮮のように統制が行き渡り,衰退していくのに混乱がなくて良いかもしれない。混乱とは中国で起きる反乱のようなものだ。日本の風土があれば,江戸期の状態まで戻れば,軍事力を放棄すると3千万人まで扶養できる。ただし,庶民(下層民)が休めるのは正月と盆だけになる。経典の民のように週に一日休む余裕はなくなる。
聖書を読むと,聖なる日に誰が家畜の世話,かまど食事の世話をしていたかを考えると良い。原発もその延長なのだ。イエスが食したパンとぶどう酒は何処から入手したのか,その対価となる貨幣はどうなっていたのか。
日本の精神風土が脱亜入欧どころか,復古翼賛化して来ていると感じる。著名世襲政治家が軒並み脱原発派なのは意味深だな。朝鮮中国を含めて日本を眺めると東アジア特有の統治風景が浮かび上がってくる。日本の復古天皇制と北朝鮮の王制思慕。両国とも見事なまでに中央統制が行き渡っている。マルクスは階級闘争を唱えた。旧約には父性原理に基づく父殺しという暗い衝動がある。その起源はとにかくオリエントだろう。古代地中海文明と闘争を文明の推進力とみなすヘーゲル流は古代ギリシャのヘラクレイトスの系譜だ。古代ギリシャの思想背景としても古代ペルシャの国教だったゾロアスター教(光と闇の戦い)は重要だろう。古代ギリシャをオリエントと見なす考え方もある(黒いアテナ)。政治原理を対立する党争とみなせば,毛沢東の推進した文革運動も理解できるのではなかろうか。かように国民運動とか大衆運動とは危ういものだ。今,日本に求められているのは中庸の精神ではなかろうか。
2040 年における全国の半数の市町村で 20-39 歳代女性の人口が半減するとの発表があった。中華文明,インド文明と西欧文明は消長を繰り返したが,他の多くの文明民族は滅亡している。中華文明の周辺に発生した稲栽培に根ざした弥生期以来の日本文明が2100年には滅亡するという事だろう。日本の天皇神道信仰はユダヤ教のようには生き残れないかもしれない。古代ギリシャ文明は滅びたけど,ギリシャ人は存在し続けている。日本語話者も極東の島国という地理的条件のため存続するだろう。外国との交易と移民で日本の都市圏は存続しているのだろうか。ユダヤ民族は土地を失い,農耕しなくなったけどヤーウェという奇妙な絶対神を信仰して民族のアイデンティティを維持している。
ユダヤ人の定義は母親がユダヤ人である事だ。ユダヤ教は父性原理ながら,ユダヤ女を伴いトーラ(律法)を糧にシナゴーグをコミュニティの基点として全世界へ拡散した。今回の調査結果は日本の農業が大変換を遂げる先触れだろう。参考になる人口崩壊は中国王朝交代,西欧のペスト危機と戦争による荒廃だろうか。民族が滅亡するときは,往々にして滅亡を加速するような意思決定をするものだ。ユダヤ族のローマへの反乱がそうだった。日本の直近の統制強化政策も衰退を加速するだけだろう。ソ連の崩壊研究が役に立ちそうだ。ソ連は共産党官僚独裁の中央集権による地方への分配余力がなくなり分裂した。ロシアはウクライナを併合する余力がなさそうだ。沿海州クリル(千島)も負担になっているだろう。外資を導入するとしたら,中国か韓国か。
日本の中央集権が30年後,崩壊するとき中国韓国はもはや日本に投資する余力がないのは確かだ。どうするのかな。私は多分,死んでいないが子供はどうするか。教育を授け,日本から脱出できるようにするのが賢明か。ソニーのゲーム機の CPU はロシア人が米国に移民して設立した会社が設計したものだ。かつては東芝と IBM が供給していたが。今でも,多くのロシア人がアメリカに移民している。
日本に飛来し,本土を襲爆撃した米陸軍航空隊の戦闘機である P-47 と P-51 はロシア移民の会社と移民したドイツ人技師の設計によるものだった。アメリカは軍用でも必要と認めれば外国人を雇用し,兵器としても採用した。原爆に至っては理論と設計は外国人なしでは 1945 年に完成しなかったかもしれない。日本に技能のある外国人が来ないとしたら,韓国が進めているような外国人妻政策を採用したとしても,うまくいくとも思えない。
やはり,東大が進めているような9月入学,授業の半分を英語化する改革は国費で推進すべきだろう。卒業後も日本に滞在してくれるかもしれない。彼らは役人を志望しないだろうから,起業して日本を活性化してくれるかもしれない。隣国の台湾,韓国および中国から日本の大学を目指さないようではだめか。なぜ日本の大学は魅力がないのだろうか。日本語のせいかそれ以外にも原因がありそうだ。とにかく日本人だけの人的資源だけではだめだ。創造性進取性とかは韓国フェリー事故の高校生の愚かさでわかるように,13歳までに素質が定まる。小学校からの画一教育を止めても,その効果が現れるには壮年となるのに40年かかるからだ。
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