2017/08/04

自衛隊は戦前のインド軍と太平洋同盟

日本郵船の便宜船と衝突した米海軍イージス艦が横須賀で修理した後,米本土に回航予定だ。海自には戦前のような工廠設備はなく,例えば舞鶴だと日立造船が改造とか修理と担当する。米海軍の横須賀基地は米空母も乾ドック入りできる巨大設備と工員(日本人)を具備している。横須賀の補修能力は当然ながら,独露海軍工廠能力を多分,凌駕しているだろう。

整備役務費用は全て日本政府の負担であるから,イスラムの神風攻撃で損傷した艦船も横須賀で修理すると合衆国はお得である。

ソロモン南太平洋海域で日米海軍が激突すると,米海軍は浮きドックと工作艦をバヌアツ,ニューカレドニアに派遣した。たった2隻の空母しかないのに,日本のガダルカナル反攻を阻止できた要因の一つだった。日中海軍が衝突したら,工廠のない海自は米海軍に提供している工員と横須賀設備を海自艦艇の修理に充てない限り継戦は不可能である。果たして,対中敵対行動となる決断をしてくれるだろうか。安保条約に基づく地位協定の基地は租界扱いと同等であるから,合衆国への新たな利権提供を我が政府は想定しているだろうと思う。日本に合衆国が欲するような自然資源はないから,人的供与がらみだろうか。海自を除いて陸空の戦闘能力はタカがしれているので,合衆国が押し付ける日米 FTA を呑み込まざるを得ないだろう。韓国のように民間金融には合衆国資本が大きなウェートを占め,農林系金融は解体か。日本は合衆国産農産物とシェールガスの大市場となる。

これと似たようなケースが大英帝国におけるインドであった。インドは英国産綿布の大市場となり,換金作物となる茶とアヘンを栽培させ,これらを欧州北米および中国に持ち込んだ。現代合衆国はシェールガスと農産物を日本に持ち込む。日本の脱原発は合衆国エネルギ業界にとり好都合である。かつて世界の GDP の過半を占めた清朝は日清戦争にも敗け植民地状態になり,貧乏国になった。近未来の日中戦争では,日本が負けると日本は現代韓国のようになる。

大帝国であった清朝とムガール帝国はなぜ,没落したか。理由は簡単である。敵を知らず,利権(関税,採掘権),通商交通を供与したからだ。英国は侵略する前に,歴史文化を調査する。インド学とシナ学は侵略する前から大学で研究が盛んだった。日本では高級官僚は法学部出身が多いが,英国のエリートは伝統的に歴史学を専攻する。日本遠征に来寇したペリー代将はケンペルの著作を通じ江戸システムを知り,長崎に通商にやってきた船はオランダ船籍ではなくオランダに雇用された合衆国船だったりしたから,合衆国船長から彼はヒアリングをしていた。船長は個人の荷を長崎奉行の役人と密貿易して,荒利が得られた。長崎奉行から外国船取り締まりおよび長崎防備を担っていたのは九州諸藩であり,抜け荷から藩財政を潤すほどの収入が得られた。一方,幕府はオランダ風説書きからオランダを通じて合衆国の知識を得ていた。日本はインド清朝と異なり,蘭癖大名がでるなど蘭学が流行っていたのが幸いした。まさに知は力なりだった。

現代日本は合衆国と中国を知悉しているようで知らないのではないか。小4の英語教育でもどうするかもめている。全国画一の文科省なんか廃止して,小学校のカリキュラムを自由にしたらいい。諸外国との交易に活路を見出す県は英語教育を推進して,関心のない都道府県は英語教育なしでもいいではないか。

韓国の二の舞にならないようにするには,シンガポールが参考になる。英国がシンガポールから撤退した後,ASEAN の枠組みのなかで軍事対立を巧みにさけてきた。TPP が頓挫すると,新たな枠組みを目指している。シンガポールとかオーストラリアは TPP11 は上手く回らないと踏んだのかもしれない。
6月30日、メキシコ・コロンビア・ペルー・チリの中南米4カ国が参加する通商枠組み「太平洋同盟」が、シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド・カナダとの間で準加盟交渉を開始したのだ。

シンガポールは合衆国を中心とする諜報組織エシェロン加盟国ではないが,太平洋同盟と加盟交渉を始めた。日本にその声がかからなかったのか,それとも対米追従外交の日本に期待しなかったのか。これら8箇国は大した諜報機関もないのに連携し始めた。シンガポールの最大エスニックは華僑である。シンガポールが今や,アジア金融の中心である。欧州の金融は永らくロンドンとスイスだった。英国がEU離脱でロンドンの外銀の多くはベルギーとかフランスではなくフランクフルトを選択している。日本と中国が対立すればするほどシンガポールは繁栄するだろう。TPP を目指していた国はシンガポールで起債する事になるのだろうと思う。日本は資本輸出国なのに東京で起債するアジア太平洋の国がない。どこで何を間違えたのだろうか。それとも単純にリスクをとれるバンカーがいないだけなのか。

ソフトバンクはサウジ系投資ファンドから大口資金を得る。橋渡しをしたのはどうも,外国人バンカーのようだ。
「ビジョン・ファンド」の設定過程で、孫社長は既に、モルガン・スタンレー(MS.N)で長年、電気通信を担当していたアレックス・クラベル氏や、ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N)のハイテクバンカーだったアービン・トゥ氏など、投資バンカーたちを相次いで採用した。

日本のメガバンク出身者ではいい顧客(カモ)を獲得できないのかとも思う。バブル崩壊時に破たんした「たくぎん」の頭取は歴代天下り出身者だった。明治になり銀行設立が自由化されると,豪農達は出資して頭取には武家の勘定方を採用した。日本の銀行家とバンカーは気質が全く異なるのかな。バンカーの仕事は金集めではない。優良投資先の目利きだ。日本の天下り官僚出身頭取はひたすら不動産融資した。


参考
2017/07/31

脆弱潜水艦母港と講談社

反日勢力が最も強い国は朝鮮および中国である。日本の国防はこれら反日国を仮想敵とするのは当然である。偵察衛星が北朝鮮を監視しているので,北朝鮮の長距離ミサイル発射準備をすると日本はイージス艦を日本海に出動させる。報道によれば,イージス艦に護衛艦艇は随伴していないようだ。

イージス艦最大の武器はレーダである。このレーダは航空用である。当然ながら,超低空を飛翔するミサイルとか水平線の向こう側は子供でも見えないとわかる。イージス艦を護衛する護衛艦が必要になる。これが諸外国で普及しない理由の一つである。ただでさえ海軍は金食い虫なのに実に手間と金のかかかる費用対効果の乏しい艦艇である。それは,なぜか超低空を飛翔する対艦ミサイルおよび巡航ミサイルの餌食になる可能性が高いからだ。

大艦を防護するには犠牲となる安価な船が必要になる。フォークランド紛争では巨大なコンテナ船とフリゲート艦が空母の犠牲になった。沖縄戦では米海軍は低速の護衛駆逐艦さらには LST をハリネズミにしたような砲艦をピケット艦として前哨配置した。これらの艦は主要艦の犠牲になった。米海軍は悲鳴をあげた。艦の損害ではなく人的損害が大きかったからだ。当時の米海軍将兵全てが志願兵であるからだ。600 隻を越える艦艇を沖縄に振り向けていた。当時,kamikaze 攻撃に関して報道管制を敷いていたくらいだ。第1次および第2次世界大戦の膨大な戦死者は徴兵制が支えていた。米海軍はその例外だ。独海軍のUボートも志願兵で固めていた。

イージス艦には対潜兵器は皆無である。昔の大型艦のようにひたすら逃げるしかない。大和武蔵が移動する際は,いつも3隻駆逐艦のお供が必要な贅沢な艦だった。太平洋海戦時,戦艦が余っていても駆逐艦はいつも不足していた。この教訓に海自は学べないようだ。その理由はやはり昇進待望組のポスト対策からだろうか。

フランスを保証占領したドイツは諸港を接収して,即潜水艦用に1トン爆弾に耐えられるブンカー建設を始めた。グアムに撤退を決めた米軍は軍港の地下化を進めている。これまで,米海軍基地は海外を含め,全て露外であったがUボートのように原潜はバンカーに収容する。対ソ戦でもしなかった事だ。南シナ海の自由作戦とうらはらに米海軍は西太平洋において劣勢になりつつあるようだ。それは何故か,巡航ミサイルの単価と原潜単価と建造期間を考えたら当然だ。バンカーは費用リスクに十分に見合うのだ。

日本海に遊弋するイージス艦を守るには潜水艦が有効だ。フォークランド紛争では英海軍が広大な海面を封鎖宣言して,アルゼンチンは進退極まった。補給船団を送れず,日本海軍のようなネズミ輸送にならざるを得なかった。中国海軍は原潜を有し,東シナ海封鎖宣言を出せる実力がある。それを阻止できるのは米海軍原潜しかない。原潜がマグロだとすれば,海自潜水艦はフグみたいなものだ。せめて呉,佐世保および沖縄に海自潜水艦用のブンカを建設できないものだろうか。戦前同様,潜水艦部隊は日陰者なのだろう。NHK もいづもを取り上げるけど,ひっそり哨戒に出航する海自潜水艦を取り上げる事はない。尖閣周辺東シナ海は海保海警だけでなく,日中潜水艦が海中で対峙している筈だ。

丸裸の横須賀および呉の潜水艦隊と九州志布志湾の石油備蓄基地。これらを守るのは皇居周辺に PAC-3 を配備するより重要なのではないか。そんな本音よりは建て前か。帝都初空襲の際,東條首相宛に切腹して陛下にお詫びしろとの投書があったそうだ。この愚を避けるには,皇居を軍港とか石油基地あるいは原発周辺に移転すればいいのだ。国家鎮護の社を創建するパワーを失くした日本。日本の神社は土着しているから,遷宮は可能でも遷社は不可能に近い。分社をするしかないか。祟りを鎮めるために,ミカドの聖なるパワーが今でも有効とは,なんとも不思議の国である。イスラエルが英国から独立を果たすのは第二次世界大戦後の 1948 年である。それから半世紀以上も経つが,神殿再興の機運はまったくない。ヤーウェとユダヤ人の関係は間に神官も神殿も要しない,神と個人の1:1 の関係に収れんしたからだ。絶対神の存在しない日本では現人神は実にすわりがいい。現人神は移動が可能だ。遷宮遷都を考えていい頃だろう。ローマ帝国が没落したローマから東の豊かなコンスタンチノープルに遷都して以来,寂びれたローマはカトリック教父の蛮族に対する布教宣教でその力を取り戻した。この中世神学カトリシズムから,近代科学と人文主義(ヒューマニズム)が生まれたのは歴史の皮肉である。その大本はスコラ学であった。

バブル期男性誌にマイナーな「スコラ」があった。戦前の講談社はミリタリー記事特集が満載であった。それが神的世界のヒエラルキーと神の絶対証明を目指すスコラ学の名称を拝借した意図が皆目見当もつかないが,現代の講談社は赤字である。良書が多い学術文庫もなくなるのだろうか。聖俗を問わない出版社は貴重である。Princess Masako: Prisoner of the Chrysanthemum Throne の出版を断念したあたりから,往時の勢いは失せたのであろう。御用紙のマスメディアに続き講談社と集英社も自主規制が多くなった。もう文春と新潮くらいしかない。その両社も自主規制にならざるをえない。なんでこんな事態に陥ったのだろうか。毎日新聞の広告から両社週刊誌広告が最近,失せたのとどんな関係あるのだろうか。単に自動車広告のように費用対効果だけかとも思う。新聞社とか出版社は株式を上場していないので実態は不明だけど。新聞社とテレビ局は社有地払下げで官と癒着していたのはほぼ確かだろう。本社用地を払い下げてもらって,学園国有地払下げを記事にするとはあつかましい。特権意識まるだしだ。その点,ロンドンの一等地は女王陛下の王領地だから,払下げ問題は起こりようもない。征服王ウィリアムは接収した土地の半分を王領,残りの1/4を封臣に与え,その残りを教会に寄進した。その教会司教職を従弟が叙階したから,2/3 はフランス出自貴族の所領となった。日本人過半の出自は土民層である。国家社会主義の残余が感じられる現首相は,庶民の土地感覚を逆なでしたようだね。内閣支持率が 30% を割った。来月の組閣はできても,次期総選挙では公明支持が命綱になる。改憲発義は困難になるかもしれない。官僚国家における自衛隊は実際に戦闘しないし,何を何から守るのか曖昧にしているから平安期のような令外の官でいいではないか。800 年続いた有事体制下の征夷大将軍も令外官であった。800 年間,違憲状態が常態化していた。日本人の知恵だろうと思う。帝国憲法と戦後の憲法が日本人の体質にそもそも合わないのを無理に接木したのが無理筋だった。昭和の帝国国防方針と現代の防衛議論は似たようなものだ。憲法があるから平和であるわけでもないし,軍官僚の暴走を阻止できるわけでもない。どれだけ優れた指導者を選抜できるかだ。歴代陸自幕僚長に東條首相の婿がいた。。。現代陸自も閨閥,世襲出身か。平時で良かった。

今でも元気なエリザベス女王は戦時中,妹と一緒に軍用自動車工場に勤めた。有事になると愛子さまはどこで勤労奉仕するのだろうか。しかし日本の内親王が砲弾工場で組み立てする時代は永久にないだろう。西欧では中世来,籠城戦の時代から銃砲弾製造は婦女子の務めであった。日本に有事と戦争は無理である。日本の有事論は動員徴用の順番が逆である。とりあえず,公務員と高校教員の動員が先だろう。しかし東アジア国家では官尊民卑からあり得ない。何もこれは日本特有でもない。古来から兵は蔑まれていた。古代中国では兵舎は城壁外であった。つわものが天子さまに侍っていた戦前の日本が異常だったのだ。その意味で北朝鮮も異常である。

戦前,講談社の少年倶楽部が有翼爆弾を記事にした。現代の巡航ミサイルである。戦前の予想と異なり,中韓が保有し日本が保有していないのがミソである。問題なのは中韓から潜水艦発射巡航ミサイルで奇襲されても合衆国が反撃しないのは確実な事だ。日本の海自の存在理由は何なのだろう。戦前の日本海軍と全く同じに見えるから,やはり戦争は悲惨な結末となりそうだ。李朝官兵と似たようなものか。

合衆国を頼って独立したイスラエルは合衆国軍の介入なしに,数次の中東戦争を勝ち抜き核も保有している。それを支えたのは意志と合衆国製航空兵器だ。今や,イスラエル製電波兵器が中国の早期警戒機に装備されている。日中航空戦が勃発したら日本が優位と考えるのは思い込みだろう。戦前,合衆国が旧式の戦闘機を中国に供与すると,日本陸軍機は海軍以上に軍用機の割り当てを受けながら,常に損耗し戦闘機が不足していた。戦中ですら,日中航空戦は拮抗していたとみるのが妥当だろう。それでも陸軍機は漏洩燃料タンクと防弾板があっただけでも海軍機よりはまともであった。桁違いの搭乗員を要する中国空軍相手に,尖閣どころか沖縄および九州の制空は絶望的である現実を国民は直視しようともしない。戦前,対米戦を煽った軍部マスコミと現代の自衛隊と論壇は何も変わっていない。しかも空自の絶対的寡兵にもかかわらず,中国のドローン兵器巡航ミサイルが大挙して襲う。戦前の殆ど何もできなかった本土防空戦が再来する。基地どころか日本の重要施設は露出している。スイスは景観も兼ねて,最重要施設は山腹に収納している。何故か,スイス航空戦力は侵攻軍に立ち向かえないとわかっているからだ。

航空特攻が海軍により始まったのそれなりに理由があった。日本海軍は徹底した人命軽視のブラック官僚組織だった事だ。鹿屋に将旗を掲げていた宇垣が戦果が全く望めない状況下,桜花隊飛行隊長に特攻出撃を迫るくだりはブラック企業のそれと同じである。戦後,特攻を賛美する映画が鶴田浩二らの主演により上映された。日本海軍の湊川精神は今も健在と見るべきだろう。海自空自の軍事官僚は無謀な作戦を企図実行するのだろうか。少なくとも,空自は片道飛行の特攻を迫られるだろう。陸将海将の外人将官が無理なら,空将を外人にしたらどうだ。田母神のような航空幕僚長では即座に空自は無謀な作戦により散華させられてしまうだろう。空自は自身でオーバホールもしないから,その稼働率は酷かった旧軍以下になる。その実態は火器とレーダを保有した警察海保機と何ら変わらない。名前だけ,国防軍に変えてても意味がないだろう。

絶対的劣勢の空自を考えたら,せめて,韓国並みに巡航ミサイルの製造配備と潜水艦用バンカを設置したらどうだ。空自用バンカは,エンジン整備をしないので,バンカを整備しても有事での稼働率維持は望めないから無駄である。なんでこんな警察航空隊のような空自ができあがったのだろう。その事実を,3.11 の際,空自補給廠が水に浸かったF2戦闘機の分解水洗い洗浄すらできないと判明したからだ。この事実から,武器に関心のなかった李朝官兵と自衛隊がオーバラップした。李朝官兵の兵器は賤民が製作していた。鍛冶は良民ではなかった。自衛隊の兵器の製造修理忌避も朱子学の影響が残っているのだろうか。中途半端な自前のF2でなく,F16だったらロッキード,米韓空軍あるいは韓国企業に修理依頼できただろうに。

韓国は原発とか航空機の整備保全能力が高い。これから格安航空会社 LCC 保有機整備は ANA JAL ではなく韓国企業が受注するようになるだろう。
2017/07/28

住宅用高原適地が少ない

近年,暑さがきつくなったと感じる。彦根気象台によれば,ここ 100 年の間,最低気温が0℃未満である冬日は約26日減少したそうだ。20年だと,5.2日に相当する。積雪がなくなった実感と一致する。

夜間涼しければ,快適だろうと思い Goole Map 地形図で高原を探したが人が住むのに適地が少ない。山間部ばかりだ。せいぜい甲賀市と日野町の標高 170 m と 188 m だけである。

高緯度に移動するよりは,200 m 高地に移転すれば気温は 1.2℃ 下がる。ロープウェイのある比叡山麓はかなり涼しいが,斜度がきつく平坦な土地がほとんどない。豪雨になれば地滑りの危険度が高く,素人では地勢の判断が急斜面だと難しい。山間部でも人が住んでいるのは決まって峡谷だけである。おそらく水田のためであろう。子供が通った山間部の自由学校でも湧き水を利用した稲栽培を学習していた。何で日中でも日が射さないような狭隘な谷底で学習するのか理解に苦しむ。考えようによってはいかにも日本的である。日本人にとり水田耕作は神事に近い。天皇陛下もお田植をなさる。

東京に住むようになりやたらとアパートの名称にハイツが多いのに気付いた。進駐軍が○○ Heights と名付けたためだろうと思う。学生の頃,イスラエルとシリアがレバノンの覇権を巡り,争っていた。その係争の地がゴラン高原だった。大規模な戦車戦も生起し,荒れ地を想像していたが,これも Google Earth をみると異なった。低緯度のレバント地方では,高原は住むのに適しており牧羊地だったのだろう。

Google View をみれば,ガリラヤ湖周辺の美しい山麓が見られる。炎暑の地中海から南北を貫く山地を抜ければ,だらだらと死海へ高度が下がっていく。山上の垂訓も日本の山とは全く異なるイメージなのだろうと思う。日本の代表的霊峰は比叡とか高野山だ。身延山も永平寺も前者を踏襲しただけだ。中東では高原が係争の地となり,映画ベンハーに出てくるような戦車もレバントで発明された。日本では狩猟を主とした縄文人は山地に住み,やがて水稲栽培に移行して峡谷と湿地に移動したのだろう。湿地帯では道路建設もままならず,争いも戦車どころか騎馬戦も鎌倉期を除いてなくなった。日本では当たり前の水耕とライフスタイルが麦作を中心とするグローバル社会ではその規範が通用しないのは当然か。日本の知識人の間ではムラ社会と称される。例えば原子力ムラとか。その排他性が特徴だ。

太平洋戦争期,かつて昭和天皇はニューギニアのブナからスタンレー山脈を越えてポートモレスビー攻略を示唆した。天皇を忖度した参謀本部は現地軍に侵攻計画を強行させた。現地は補給難から実行を渋っていたが,天皇の名を出されてはどうしようもない。道を開削しながらポートモレスビーを目指した。酷暑の海抜0mから氷点下の高地を経て,いくつも峠を越してポートモレスビーへ踏破した。意外にも豪軍は高地に少数の陣を敷いていた。この陣地を抜くのに時間を要し,糧食と弾薬切れで撤退となった。谷を越えて後方の高地に歩兵砲を据えて陣地を砲撃するのに日数がかかったからだ。

兵站計画は現地軍が立てていたものの,参謀本部が独断でブナ行の補給船をガダルカナルに転用してしまい徒労に終わった。引き返し海岸に籠ったものの豪軍の砲撃で壊滅状態になった残軍はニユーギニア東部を目指して道を開削しながらの敗走となった。その後,参謀本部が反攻計画を準備している間に,その背後から空爆された。連合軍は補給道のないニューギニア高地に空挺部隊を投入して秘密飛行場を建設していた。高地は海岸のように蚊も蝟集することなく,酷暑を避けて現地人が耕作していたから,今思うと合理的である。日本陸軍の愚策の遠因は棚田稲作にあるのかもしれない。縄文以来,日本列島沿岸水系のネットワークがあったのに日本海軍も海の道に関心が薄かった。日本の貿易は戦争前,合衆国とかノルウェーとか連合諸国の傭船に依存していた。開戦すると,商船は陸海軍に徴用され,国民はさらに耐乏生活となったにも関わらず,ラバウルより先に侵攻しようとした。合衆国は戦争を決意すると,まず50か所の船台を建設し建造の容易な輸送船から 100 隻単位で建造を始めた。ハワイの太平洋艦隊司令部の仕事は補給計画と補給を円滑にする事だった。その頃,連合艦隊司令部はトラックに在泊して,軍楽隊付きのフルコースの食事をしていた。ラバウルから 1000 km 以上離れたガダルカナルで作戦は不可との正論を主張した二見参謀長は左遷され,上述の希少輸送船はガダルカナルに転用された。ソロモンニューギニアに投入され失った高速優秀船の代償は余りにも大きかった。戦争目的だった南方資源が日本に環送されなくなった。ニミッツ提督は輸送効率の良い三角輸送を何故日本軍がしなかったのか疑問を呈している。日本人同士の戦いなら通用した補給戦は,秀吉の朝鮮役から破綻していたと思う。清国露国との戦争では,輸送単位は人が担ぐ行李であった。第二次大戦では馬挽輸送を廃止した唯一の合衆国相手に,日本は行李を運んでゆるゆると師団は作戦移動していた。物量の移動速度は隔絶していた。その米軍もベトナムでは補給に難儀した。物資が集積所にあっても必要な所に必要な物が届かないのだ。

斜面に羊とかヤギを放牧して暮らすのは日本では不向きなのだろうか。棚田を美しいとみる美的感覚はあるものの,機械畜力も投入できない水田稲作だ。イタリアでは急な斜面に先祖代々ブドウを栽培している。ギリシアは狭隘な山地ばかりだ。一面オリーブ畑である。温暖化がすすみ,孫の世代に南九州四国沿岸の柑橘類栽培は不適地になる。海面も上昇するから,沿岸にある土地も風水害に脆弱になる。海岸沿いの交通網維持も大変だ。それでも,我々は住み続けるのだろうか。3.11 を省みると高台への移転移住は頓挫して,元の海岸でのコミュニティ再生となった。先祖代々の土地を捨てて移動移住は不可能なのだろう。もうこれは土地神信仰だね。日本の大都市は海に面した低地だ。大阪,名古屋および東京の沿岸にオランダが建設したような大防潮堤を建設しなければならないだろう。もうこの頃には,貿易は寂れ港湾施設は神戸のように閑古鳥がないているだろう。閑散とした神戸の岸壁をみると,東京横浜と名古屋の繁栄ももう長くはないのではないか。日本は東アジア交易の敗者である。今後栄える可能性があるとしたら,北九州博多と北海道の釧路港くらいではなかろうか。合衆国も栄える港は北上している。南部チャールストンは交易港の繁栄は全くないし,西海岸のサンフランシスコはロスアンゼルスからシアトルおよびバンクーバに中心が移っている。合衆国は移民排斥が強まり,カナダが北米移民の中心になるかもしれない。カナダの華人朝鮮人コミュニティは強固だ。日本はシンガポールのような多民族国家にはなりようがないから,スイスのように国防と外交を政府に任せ,自治を重んじる連邦制にしたらどうだ。エネルギ電力も国家任せにせず,各州が決定権をもつ。新潟県内の東京電力の発電所とか沖縄県の米軍基地とか改善されるのではないか。3.11 は東電を分割解体するチャンスだったが,経産省は省益のためか逆に国有化してしまった。国鉄電電公社の民営化と異なり,大きな禍根となるだろう。我々は東電のために高い電力料金を払い続けなければならない。経産省の最大利権のエネルギ分野は,強権的だった安倍政権でも手をつけられなかったから,後継内閣ならさらに絶望的である。ロシアだとガスプロムが政府と一体となった利権構造となっている。戦前の岸ら革新官僚が目指した統制社会はエネルギに関する限り,地域独占電力会社が解体されることもなく実現した。両国のエネルギ統制が今後,うまくいくとは思われない。統制は競争がなくなり効率が下がるからだ。今話題の戦略特区にしても,愛媛県の獣医師学部の誘致に矮小化されてしまった。教育は全くの自由,エネルギでの自由化すればいい。政府は外交と防衛に特化すればいい。文科省も経産省も既得利権となる補助金をバラ撒く必要はないのではないか。この構造は旧民主党でも不変であった。せめて新規参入の阻害を止めてもらいたいが,不祥事があると規制は増えて役所は焼け太りする一方だ。滋賀県内の高地への転居はデベロッパーが山地を切り開かない限り,霊園くらいが関の山か。

とりあえず,甲賀と日野周辺の物件を探してみようかな。標高は 200 m 以上が目安だ。日本の国土利用は厳しく規制されている。自治体および企業が積極的に高原開発でも乗り出さない限り無理か。電話で勧誘のある新設霊園は高地が多い。資産価値が著しく劣化したら,先祖代々の土地を捨てられない現世代と異なり,孫の世代は土地を放棄するかもしれない。個人的にはマラリアが発生するような南九州四国沿岸および沖縄に住みたいとは思わない。小沢一郎議員は沖縄に豪壮な別荘を建てたけど,吉田茂,岸信介邸のように一代限りか。イタリアを旅すると,ルネサンス盛期に建設された貴族豪商のほれぼれするような美しい邸宅が多く残っている。スイスになるとそれが皆無になる。現在,スイスは最富裕な国家の一つである。

世襲貴族が文化を創造する社会と市井の市民が創りだす都市文化のどちらが優れているのか,私にはわからないが,日本はどちらでもないのは確かなようだ。彦根にみられるような旧武家屋敷はそれなりの文化を感じさせるが,暖房のない寒い住みやである。豪商豪農は厳格な差別制度があり,まともな商家農家を建設できなかった。明治以降,彼らは武家を真似ただけであった。関西に著名な建築家安藤忠雄の作品が多くある。実にすっきりしているが,どれも樹木に乏しく機能性に欠け,住宅に至っては老人が住むには不適当である。見た目はとてもいい。何か旧日本軍と同じ体質を感じさせる。足利将軍義政が創りだした書院造りがその原点ではなかろうか。日本人の生活美意識は窮屈さにあるように思えてならない。開放とか自由とは無縁の文化である。天井も息苦しさを感じるほど低い。いまだにJR京都駅のホームには屋根がなく雨天の乗降の際,濡れる。簡単な屋根すら設置せず,全く無関心である。安藤忠雄氏の住宅も同じである。

狭い茶室を愛好するような民族が大国の中国とか合衆国と戦争したのが愚かだったのだろうと思う。愚かな兵器の人間魚雷「回天」も有人有翼爆弾「桜花」もわびさびの茶器の延長だったのかもしれない。西欧のヒューマニズム文化はイタリア諸都市から西欧自由都市に伝播し,オランダに至って人権思想に結実した。京都の五山文化が窮屈な日本文化の原点とすれば,日本フェチの外国人が京都を賛美するのもわからんでもない。京都は忍耐と我慢が美徳の文化である。馬挽耕起を止めて人力耕起に回帰した江戸システムと同じ原理だろうと思う。楽を追求するアメリカ文化とは対極にある。

参考