2019/02/15

老人の暗算能力と老いた提督

2回続けて必要な固定ネジ長さを間違えた。一方はポンチ絵を描いて,確認した筈のメモもなくした。老化のせいだろう。若い頃だと,あり得ないミスだった。ショックだ。政府の掛け声とは裏腹に老人を雇用する職場は単純労働に限られている。特に視力と情報処理能力は加齢とともに極端に低下するからだろう。

太平洋海戦では米海軍は航海局長だったニミッツを抜粋した。日本海軍だと中将クラスである。ニミッツは就任前少将に過ぎなかった。日本海軍の司令長官は老い過ぎていた。戦闘の決断は,事実上 中佐クラスの参謀が担った。航空参謀は中佐が多い。

名提督とされる小沢治三郎はマリアナ沖ではタバコをすっていただけとの話もある。マリアナに侵攻してきたスプルーアンス(水上艦)提督はものぐさで参謀長(航空畑)に任せきりだったそうだ。リーダは危機,負け戦ほど指導力を発揮しなければならない。有事に決断を下せる若いリーダを我々は選ばなければならない。

勝った米海軍が確か31名の提督を更迭し,負け続けた日本海軍はたったの2名である。最後は皆で特攻を推進した。これが日本の指導層である。ご丁寧に連合艦隊司令長官,軍令部総長そして海軍大臣の三職が特攻を決裁している。前の見えない水中魚雷に人間を乗せた。正論はどうして排除されたのか。天皇陛下にも報告している。目に見えない「空気」がそうさせたのだろう。

3名とも潜水艦と航空機の経験は皆無であった。一方,合衆国大統領 FDR が並みいる数十名の提督からキングとニミッツを Select したのはいろいろあるだろうが,第一に実務経験だろう。両名は潜水艦の経験者,しかもキングは空母 Lady LEX の艦長を勤めたエアマーク保持者だった。そして合衆国の場合,海軍長官は文民だった。日本は物量の差だけで敗けたのではない。航空潜水艦屋が作戦部長そして太平洋艦隊司令長官は潜水艦屋だった。1939 年当時,米海軍の保有機はおよそ日本海軍の半分であった。それが,見事に変貌する。頭の固い提督には身を引いてもらった。

文明社会であれ,会社さらに個人であれ,いかに変われるかの違いだろう。失われた30年というが,我々自身が変わろうとしただろうか。戦前の日本陸海軍と同じようなパラダイムに陥っているのではないか。

兵器(物)は量産可能だが,必要な指導者は育てて そして Selection しなければならない。この語には淘汰の意味がある。公民選挙も淘汰の一種である。日本方式の天皇を含めた世襲指導者では永遠に合衆国大統領に勝てない。それどころか韓国大統領にも負けるかもしれない。

参考